ピクスタ株式会社
デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」

日本
上場
東証スタンダード 3416
参照資料
2025年12月期 決算短信・決算説明資料・有価証券報告書

約44万人の投稿クリエイターから集めた1億点以上の写真・イラスト・動画を、単品販売と定額制で法人・個人に販売しているデジタル素材マーケットプレイスの事例です。

事業の概要

ピクスタ株式会社は、写真・イラスト・動画などのデジタル素材の仕入から販売までを行うオンラインマーケットプレイス「PIXTA」の運営を主たる事業としています(有価証券報告書 第21期〔2025年12月期〕「事業の内容」)。素材は国内外のクリエイターからクラウドソーシング形式で集め、プロ・アマチュアを問わずオンラインで投稿できる仕組みです。

2025年12月末時点で、投稿クリエイター登録数は約44万人、購入者登録数は約68万人、素材点数は1億点以上です(2025年12月期 決算説明資料)。同社は、1億点以上の日本関連画像と付与された情報データを強みに、AI開発企業などに機械学習用の画像・動画データセットも販売しています。

収益の仕組み

同報告書によると、素材はすべてロイヤリティフリー・ライセンスで提供され、次の2種類の販売方法があります。

  • 単品販売: 必要なときに1点から購入する
  • 定額制販売: 契約期間中、一定数に達するまで定額料金でダウンロードできる

素材が売れると、クリエイターには販売価格と同社が定める「コミッション率」に応じた「獲得クレジット」が付与され、最低支払基準額を超えると換金を申請できます。同社は素材の品質確保のため独自の審査を行い、同社にのみ提供する「専属クリエイター」には報酬や審査で優遇しています。

公開資料から読み取れること

  • 2025年12月期のPIXTA事業の売上高は2,001,141千円(前期比22.0%減)で、うち定額制売上高は1,268,716千円(同5.4%減)でした。同社は、前期の大口案件の反動が減少の要因と説明しています(2025年12月期 決算短信)。
  • 定額制の月間購入者数累計は137,160人(同4.6%減)、単品の月間購入者数累計は86,200人(同19.4%減)でした(同短信)。
  • 連結売上高は2,663百万円、営業利益は151百万円でした(同短信)。
  • 上場市場は2025年12月29日以降、東京証券取引所スタンダード市場です(有価証券報告書)。

新規事業への示唆

供給側(クリエイター)を売れた分だけの成果連動報酬で集めることで、在庫リスクを持たずに膨大な品揃えをつくれることが分かります。一方で、2025年12月期は単品の月間購入者数累計が前期比19.4%減となり、同社はライトユーザーの離脱が影響したと説明しています。品揃えが大きくても、購入者側の利用動向によって売上が変動する点は押さえておく必要があります。集めた素材とその付帯情報を、AI向けデータセットという別の商品に転用している点は、ロングテールの資産を二次活用する例として参考になります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。