東映アニメーション株式会社
版権事業(アニメ作品の商品化権・ゲーム化権の許諾)
- 国
- 日本
- 上場
- 東証スタンダード 4816
- 参照資料
- 2026年3月期 決算短信(2026年5月13日)
『ワンピース』『ドラゴンボール』などのアニメを製作し、キャラクターの商品化権やゲーム化権を国内外に許諾する版権事業が利益の中心になっている会社です。
事業の概要
東映アニメーションは、劇場・テレビ向けアニメを企画・製作する会社です。2026年3月期 決算短信によると、報告セグメントは「映像製作・販売事業」「版権事業」「商品販売事業」の3つです。同短信は、映像製作・販売事業は作品の放映権やビデオ化権の販売、映像配信サービス等を、版権事業は製作した作品に登場するキャラクターの商品化権許諾を、商品販売事業はキャラクター商品の開発・販売等を行うと説明しています。
主力作品として、同短信は「ワンピース」「ドラゴンボール」シリーズ、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズなどを挙げています。
収益の仕組み
作品を自社で製作して権利を持ち、その権利を用途ごとに分けて他社に許諾するのが基本の構造です。版権事業では、玩具・グッズなどの商品化権や、ゲーム化権を国内外の企業に販売しています。
同短信によると、2026年3月期の連結売上高は936億69百万円(前期比7.1%減)、営業利益は310億18百万円(同4.4%減)でした。このうち版権事業の売上高は489億5百万円(同3.3%減)、セグメント利益は267億20百万円(同3.1%増)です。映像製作・販売事業の売上高311億51百万円、セグメント利益87億51百万円と比べると、版権事業が売上・利益ともに最大のセグメントです。
公開資料から読み取れること
- 版権事業の利益率は、セグメント利益267億20百万円÷売上高489億5百万円でおよそ55%です(決算短信の数値から計算)。
- 同短信の地域別売上では、版権事業の外部顧客向け売上484億59百万円のうち、日本は147億82百万円で、北米141億39百万円、欧州89億18百万円、アジア80億56百万円、中南米25億62百万円と、海外がおよそ7割を占めます(同じく計算)。
- 同短信は、国内版権部門は前年の「ワンピース」周年施策や「ドラゴンボール」新作映像展開の反動で大幅な減収となった一方、海外版権部門は「ワンピース」「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権・ゲーム化権販売が好調で若干の増収になったと説明しています。
新規事業への示唆
映像を作って終わりにせず、一つの作品の権利を放映・配信・商品化・ゲーム化などに分けて、用途ごと・地域ごとに収益化していく構造は、コンテンツ系の新規事業で参考になります。一方で、新作や周年のある年とない年で売上が大きく変わるため、長く続くシリーズを複数持つこと、新作の投入時期を分散させることが、ライセンス収入の安定につながると考えられます。IPを生む段階(製作投資)と、IPから稼ぐ段階(許諾)を分けて採算を見ることも大切です。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。