ブラザー工業株式会社
プリンター・複合機とトナー・インクなどの消耗品(プリンティング・アンド・ソリューションズ事業)
- 国
- 日本
- 上場
- 東証プライム 6448
- 参照資料
- 有価証券報告書(2026年3月期)、2026年度 第1四半期 決算説明会資料
プリンターや複合機の本体と、トナー・インクなどの消耗品を組み合わせて販売し、純正消耗品の利用促進や消耗品の自動配送サービスにも取り組んでいる事例です。
事業の概要
ブラザー工業株式会社は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業(P&S事業)、インダストリアル・プリンティング事業、マシナリー事業、ニッセイ事業、パーソナル・アンド・ホーム事業などを展開しています。有価証券報告書(2026年3月期)では、P&S事業を全社の収益基盤を支える「コア事業」と位置づけ、営業利益額を重点指標にしていると説明しています。P&S事業では、レーザープリンター・複合機、インクジェット複合機、ラベルライターなどを扱っています。
収益の仕組み
P&S事業の売上は、製品本体と、トナーやインクなどの消耗品の販売から成り立っています。有価証券報告書では、「つながるビジネス」の拡大に向けて欧米で個人向けのサービスプラットフォームの提供を始め、製品本体の延長保証やアプリの活用などを通じて、お客様の利用実態の把握による提供価値の向上や「純正消耗品の利用促進」に努めていると記載しています。
また、事業等のリスクの対応策として、印刷体験や消耗品の自動配送などを提供する契約型サービスやサブスクリプションモデル等を含む「つながるビジネス」の拡大を通じて、継続的な収益の確保と収益力の強化を図ると説明しています。
公開資料から読み取れること
- 2026年3月期の連結売上収益は893,464百万円(前期比5.3%増)でした(有価証券報告書)。
- P&S事業の売上収益は570,583百万円(同4.7%増)で、うち通信・プリンティング機器が498,348百万円、ラベリングが72,235百万円です。P&S事業の事業セグメント利益は66,446百万円でした(有価証券報告書)。
- 同社は通信・プリンティング機器について、本体の販売が各地域で増え、消耗品は主に価格対応の効果により堅調だったと説明しています(有価証券報告書)。
- 2026年度 第1四半期 決算説明会資料のP&S事業「主要製品別売上伸び率・構成比」(レーザー・インクジェット)では、消耗品比率が2025年度(2026年3月期)通期で55%と示されています。
- インダストリアル・プリンティング事業のドミノについても、主に消耗品の販売が堅調に推移したと記載されています(有価証券報告書)。
新規事業への示唆
この事例では、主要製品の売上のうち消耗品が半分強を占めており、本体の販売台数を増やしながら、その後の消耗品購入につなげる流れが読み取れます。同社が純正消耗品の利用促進や消耗品の自動配送を掲げている点は、本体販売後に顧客が他社の互換品へ流れないようにすることが、この型の重要な課題であることを示しています。
一般論として、新規事業でレイザー&ブレードを採用する場合は、購入後の顧客と継続的につながる仕組み(利用状況の把握、自動補充、定額契約など)を、本体の設計段階から組み込んでおくと、消耗品売上を見通しやすくなります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。