Etsy, Inc.
Etsyマーケットプレイス
- 国
- アメリカ
- 上場
- NYSE ETSY
- 参照資料
- FY2025(2025年1〜12月)Form 10-K
独立系の売り手による手作り品や一点物を扱うマーケットプレイスを運営し、出品料・取引手数料・決済手数料と、売り手向け広告で収益を上げる会社です。
事業の概要
Etsyは、独立した売り手の手作り品や一点物などを扱うオンラインマーケットプレイス「Etsy」を運営する会社です。FY2025(2025年1〜12月)のForm 10-Kによると、ファッションの二次流通マーケットプレイス「Depop」も運営しています。Etsyは在庫を持たず、売り手と買い手をつなぐことで手数料を得ると説明しています。
同10-Kによると、2025年の連結GMS(流通総額)は119億1,690万ドルで、うちEtsyマーケットプレイスが104億6,070万ドル(全体の87.8%)です。2025年12月31日時点で、Etsyマーケットプレイスのアクティブな買い手は8,650万人、アクティブな売り手は560万人でした。
収益の仕組み
同10-Kは、売上を「マーケットプレイス収益」と「サービス収益」に分けています。マーケットプレイス収益は、出品料、取引手数料、決済手数料などです。10-Kの記載では、売り手は1品の出品につき0.20ドルの出品料、成約ごとに送料込み金額の6.5%の取引手数料、多くの場合3.0〜6.5%に1注文ごとの固定額を加えた決済手数料を支払います。Etsyが外部サイトに出した広告から売れた場合は、売り手の売上規模に応じて12%または15%のOffsite Ads手数料がかかります。
サービス収益は、サイト内広告(Etsy Ads)や配送ラベルなど、売り手が任意で使うサービスの料金です。
公開資料から読み取れること
- 2025年の売上高は28億8,350万ドルで、そのうちマーケットプレイス収益が20億716万ドル(69.6%)、サービス収益が8億7,634万ドル(30.4%)でした。
- 同10-Kが定義するテイクレート(売上÷GMS)は24.2%で、前年の22.3%から上昇しました。GMSは前年比約5%減少しましたが、売上は2.7%増えています。10-Kは、サービス収益の増加は主にEtsy Adsのクリック単価の上昇による広告収益の増加だと説明しています。
- 同10-Kは、2024年に導入した売り手の登録料(seller set-up fee)により、アクティブな売り手の数が減ったこと、これは売り手のコミットメントを高めるための想定どおりの影響であると説明しています。
- 2026年2月15日に、DepopをeBayに売却する契約を結んだと記載されています。
新規事業への示唆
Etsyの例からは、取扱高が伸び悩んでも、売り手向けの広告や決済などの付加サービスでテイクレートを上げる余地があることが分かります。一方で、売り手の負担が増えすぎると出品者が離れるリスクもあります。登録料で売り手の質を高めるという判断のように、数を追うか質を追うかは、マーケットプレイスの設計で早い段階から考えておくべき論点です。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。