Jabil Inc.
電子機器などの設計・製造受託(EMS)
- 国
- 米国
- 上場
- NYSE(JBL)
- 参照資料
- FY2025(2025年8月期)Form 10-K
米Jabilは、顧客企業の仕様にもとづいて電子機器などを設計・製造・供給する受託製造企業で、FY2025(2025年8月期)の売上高は298億ドルです。
事業の概要
Jabilは、FY2025(2025年8月期)のForm 10-Kで、自社をエンジニアリング、製造、サプライチェーンのソリューションを提供する大手企業と説明しています。設計から生産、製品管理までを幅広い業界の顧客企業向けに提供し、中国、マレーシア、メキシコ、米国などに拠点を持ちます。2024年9月から、事業を「Regulated Industries(自動車、ヘルスケア、再生可能エネルギーなど)」「Intelligent Infrastructure(AIを含むデータセンター、ネットワークなど)」「Connected Living and Digital Commerce(倉庫の自動化、ロボティクスなど)」の3セグメントで報告しています。
収益の仕組み
顧客のブランドで売られる製品を、顧客の仕様にもとづいて作り、納めることで売上を得ます。10-Kは、製品ごとの売上は材料費にもとづく部分と、労務費・製造間接費にもとづく部分からなり、粗利率は両者の構成で変わると説明しています。また、電子回路や組み込みソフトの設計、製造しやすさを考えた設計など、設計サービスも提供しています。
同社は、企業が受託製造を使う理由として、製造コストの削減、在庫・設備への投資の削減、市場投入までの時間の短縮などを挙げています。
公開資料から読み取れること
- FY2025の売上高は298億200万ドル、売上総利益は26億4,600万ドル(売上総利益率は約8.9%、当方計算)、Jabilに帰属する純利益は6億5,700万ドル。
- セグメント別の売上高は、Regulated Industries 118億7,900万ドル、Intelligent Infrastructure 123億1,700万ドル、Connected Living and Digital Commerce 56億600万ドル。セグメント利益率は全体で5.4%でした。
- 上位5社で売上高の約36%、87社で約90%を占め、1社(主にIntelligent Infrastructureに計上)が16%でした。
- 売上高のうち212億9,900万ドルが一定期間にわたって、85億300万ドルが一時点で収益認識されています。
- リスク要因として、少数の顧客への依存と、顧客が自社生産に切り替える可能性を挙げています。
新規事業への示唆
受託製造は、自社ブランドを持たずに顧客のブランドの製品を作る型です。利益率は低めでも、多くの顧客の需要をまとめて設備を回すことで事業が成り立ちます。新規事業で製造を外に出す側に立つ場合は、受託先の得意分野や顧客の集中度合いも、発注先を選ぶ材料になります。
受託する側に立つ場合は、上位顧客への依存度と、顧客が内製に戻すリスクを見ておく必要があります。契約の組み方は開発会社との契約の注意点(請負と準委任)も参考になります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。