株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド(中堅企業向けを含むBusinessセグメント)
- 国
- 日本
- 上場
- 東証プライム 3994
- 参照資料
- 2025年11月期 決算短信・2026年11月期 第2四半期決算説明資料
バックオフィス向けクラウドを機能ごとの独立したプロダクトとして提供し、複数プロダクトの導入を進めて1社あたりの課金プロダクト数と単価を高めている事例です。
事業の概要
株式会社マネーフォワードは、事業者向けのBusiness、個人向けのHome、金融機関・事業会社向けのX、ベンチャーキャピタルのFinance、SaaS企業のマーケティング支援のSaaS Marketingの5セグメントで事業を運営しています(2025年11月期 決算短信)。Businessセグメントでは、バックオフィス向けの業務効率化クラウドソリューション『マネーフォワード クラウド』を提供しています。
収益の仕組み
同短信によると、中堅企業向けのプロダクトは、顧客の規模やステージに合わせて最適なシステム構成を実現するため、個別の機能を独立した形で提供する「コンポーネント型」で展開しています。同社は、価格改定、機能強化、プロダクト間の連携強化、営業・マーケティング体制の拡充の結果、複数プロダクトでの導入や大規模企業での導入が進み、ARPA(1顧客あたりARR)が向上したと説明しています。
つまり、会計・人事労務・経費などのプロダクトを1つずつ追加してもらうクロスセルで、顧客単価を上げる設計です。
公開資料から読み取れること
- 2025年11月期の売上高は50,349百万円(前期比24.7%増)、SaaS ARRは39,333百万円(同31.1%増)で、うちBusinessセグメントは33,909百万円でした(決算短信)。
- 中堅企業向けの「1中堅企業ユーザーあたり平均課金プロダクト数」は、2023年11月期第1四半期の2.5から2026年11月期第2四半期の2.9に増えています(2026年11月期 第2四半期決算説明資料)。
- 同資料では、中堅企業向けARRが18,763百万円、課金顧客数が16,558事業者、ARPAは1,133千円(2026年11月期第2四半期から連結した事業の影響を除くと1,206千円)と示されています。
- 同社は、既存プロダクトのクロスセル・アップセルも含め、2028年11月期までにARPAを30〜40%以上高めることを目指すと説明しています(同説明資料)。
新規事業への示唆
最初から全機能をまとめたスイートにするのではなく、独立したプロダクトとして提供し、連携を強めながら追加導入を促す方法は、顧客ごとに必要な範囲が異なるBtoB領域で使いやすい設計です。「1顧客あたり課金プロダクト数」を指標として定期的に開示している点は、クロスセルの進み具合を測る指標の置き方の参考になります。
参考資料
この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。