Netflix, Inc.
動画配信サービス「Netflix」

アメリカ
上場
NASDAQ(Global Select Market) NFLX
参照資料
Form 10-K(FY2025、2025年12月期)

動画配信の月額会員料を主な収益源とし、広告付きの低価格プランや追加メンバー料金など複数の価格帯を組み合わせて会員の支払いを受け取っている事例です。

事業の概要

Netflix, Inc.は、映画やドラマなどの映像作品をインターネットで配信するストリーミングサービスを世界各国で提供しています。FY2025(2025年1〜12月)のForm 10-Kでは、同社は単一の事業セグメントで事業を運営しているとしています。かつて行っていたDVD郵送レンタル事業は、2023年に終了したと記載されています。

収益の仕組み

Form 10-K(FY2025)によると、同社の収益は主に、ストリーミング配信に対する会員からの月額会員料(monthly membership fees)です。会員プランは国やプランの機能によって価格が異なり、2025年12月31日時点で有料プランの価格は米ドル換算で月額1〜37ドル、アカウントに追加するメンバー(extra member)の料金は月額2〜9ドルの範囲だったと記載されています。

同社は、広告付きの低価格プランを含む複数の価格プランを用意して、さまざまな消費者のニーズに応えることを目指していると説明しています。広告収入、関連商品、ライブイベントなどからも収益を得ていますが、月額会員料以外の収益はFY2023〜FY2025のいずれの年度も収益の重要な構成要素ではなかったとしています。

公開資料から読み取れること

  • FY2025の売上高は451億8,300万ドル(前年比16%増)、営業利益率は29.5%(前年は26.7%)でした(Form 10-K)。
  • 同社は増収の主な要因として、会員数の増加、値上げ、広告収入の増加を挙げています。
  • 売上原価は売上高の52%(前年は54%)で、その増加の主な要因はコンテンツの償却費の増加などと説明されています。
  • 同社は2025年から有料会員数や会員1人あたりの月間平均売上の開示をやめ、売上高と営業利益率を主な指標にしたと記載しています。
  • リスク要因として、会員は利用頻度の低さ、家計の節約、コンテンツへの不満、他サービスへの乗り換えなどさまざまな理由で解約すると述べ、解約分を補い成長するためには新しい会員を加え続ける必要があるとしています。

新規事業への示唆

この事例からは、サブスクリプションでも単一価格にこだわらず、低価格の広告付きプランや追加メンバー料金のように、支払える金額や使い方の違いに合わせて価格帯を分ける設計があり得ることが分かります。また、定額制では解約が常に発生する前提で、新規獲得と継続利用の両方を計画に組み込む必要があります。

一般論として、コンテンツや機能への先行投資が大きい事業では、売上原価の比率が下がっていくかどうかが採算改善の鍵になります。新規事業でも、会員数だけでなく、売上に対する原価や営業利益率の推移を早い段階から追うことが有効です。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。