パーク24株式会社
タイムズカー(カーシェアリング)

日本
上場
東証プライム 4666
参照資料
2025年10月期 決算短信(2025年12月15日)・経営近況報告会資料(2026年1月29日)

時間貸駐車場「タイムズ」のネットワークを生かし、自社で用意した車両を会員に短時間単位で貸し出すカーシェアリング「タイムズカー」を展開する会社です。

事業の概要

パーク24は、時間貸駐車場「タイムズパーキング」を運営する会社です。2025年10月期 決算短信によると、報告セグメントは駐車場事業国内、モビリティ事業、駐車場事業海外の3つで、モビリティ事業はカーシェアリングサービス、レンタカーサービス、ロードサービスなどで構成されています。

2025年10月期 経営近況報告会の資料によると、カーシェアの「タイムズカー」は2009年に事業を開始し、2014年10月期にカーシェア事業が黒字化しました。

収益の仕組み

タイムズカーは、パーク24側が車両を用意し、駐車場などの貸出拠点に配置して、会員に短時間単位で貸し出す自社保有型のシェアリングです。売上は「台数 × 稼働 × 利用単価」で決まり、車両と拠点を先に用意する必要があります。

同短信によると、2025年10月期のモビリティ事業の売上高は1,285億6百万円(前期比14.7%増)、営業利益は148億88百万円(同6.4%減)でした。同期末のタイムズカー専用(カーシェア利用専用)車両は63,880台(12,829台増)、貸出拠点は26,073箇所、会員数は3,616千人(前期比119.2%)です。

公開資料から読み取れること

  • 経営近況報告会の資料によると、タイムズカー専用車両の1台・1月当たり売上高は139.0千円(前期比98.9%)、営業利益は13.7千円(前期の16.8千円から81.8%)に下がりました。
  • 同資料と短信は、増車に注力するなかで稼働を上げる施策(会員獲得など)のリソースが不足し、会員獲得が想定を下回ったことで稼働が軟調だったと説明しています。台数の伸び(125.1%)が会員数の伸び(119.2%)を上回ったことが、1台当たり利益の低下につながったと読み取れます。
  • 2026年10月期について、同資料は増車ペースを緩和して会員獲得を加速し、台・月当たり売上高・営業利益の向上を目指すとしています。当面の目標としてタイムズカー専用車両20万台を掲げ、規模拡大にあたっては台・月当たり営業利益を重視すると説明しています。
  • 同資料は、交通エコロジー・モビリティ財団の調査をもとに、タイムズカーの国内シェアを会員数72.8%、台数81.9%と示しています。

新規事業への示唆

自社保有型のシェアリングでは、供給(台数・拠点)と需要(会員・利用)を同じペースで増やすことが採算の鍵になります。パーク24の開示のように、「1台当たり利益」を管理指標に置くと、拡大のスピードと収益性のバランスを判断しやすくなります。既存の駐車場網という資産を貸出拠点に使える点は、既存事業の資産を新規事業に生かす例としても参考になります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。