レンタル・リース
製品を売り切らずに所有したまま一定期間貸し出し、利用期間に応じた料金を繰り返し受け取る型で、資産の稼働率と回収期間が採算を左右する点が特徴です。
仕組み
レンタル・リースは、事業者が製品を所有したまま、利用者に一定期間使う権利を提供する型です。利用者は購入代金を一度に払わずに済み、事業者は同じ資産を何度も貸して収益を得ます。
- レンタル:比較的短い期間、不特定の利用者に貸す。保守や入れ替えは事業者が担うことが多い。建設機械、イベント機材、衣料、家電などで使われます。
- リース:特定の利用者が選んだ設備を事業者が購入し、長期間貸す。金融の性格が強く、期間中の途中解約に制限があるものが一般的です。
どちらも、返却された資産を整備して再び貸し出し、古くなったら中古として売却するという「資産の一生」を通じて採算をとる点が共通しています。
収益の上がり方
収益は「保有する資産の量×稼働率×料金」で決まります。同じ資産でも、貸し出されていない期間は収益を生まず、保管・整備・減価償却の費用だけがかかります。そのため、需要のある場所と時期に資産を回す運用力が利益を左右します。
資産の購入は先に大きな支出が必要で、回収は貸し出しを重ねて少しずつ進みます。会計上は減価償却費が大きくなるため、利益だけでなくEBITDA(減価償却前の利益)や営業キャッシュ・フローで事業を見ることが多くあります。使い終わった資産の売却収入も、採算を補う要素です。
見るべき指標
- 稼働率(貸し出していた時間÷保有していた時間)
- 投資回収率や資産利回り(レンタル収入÷資産の取得額)
- 保有資産の取得額と平均使用年数
- 1件当たりの料金と、整備・配送など1回の貸し出しにかかる費用
- 中古売却時の回収額(取得額に対する割合)
- 季節や景気による需要の変動
向いている事業・注意点
向いているのは、価格が高く購入をためらわれるもの、使う期間が限られるもの、保守や管理に専門性が必要なものです。建設現場のように、工事ごとに必要な機械が変わる業界では、レンタルが広く定着しています。
注意点は、資産を先に買う必要があるため、資金繰りの負担が大きいことです。需要が落ちると稼働率が下がり、固定費だけが残ります。また、返却時の破損・紛失、整備の品質、盗難などのリスクを料金や保険、契約条件で手当てしておく必要があります。消費者向けでは、継続的に借りる仕組み(定額制)と組み合わせる例もあります。
新規事業で使うとき
新規事業でレンタルを始める場合、最初に「1台(1点)が何回貸せれば元が取れるか」を計算します。取得額、耐用年数、1回の料金、1回ごとの整備・配送費、想定稼働率、売却時の残存価値を置けば、損益分岐点が出せます(損益分岐点の計算と使い方)。
資産を大量に買う前に、少数の資産で稼働率と破損率の実績を取るのが安全です。資産の購入資金を借入やリースで賄う場合は、回収が進む前に返済が始まるため、月ごとの資金繰りを収支計画に組み込んでおきます(新規事業の収支計画(損益計画)の作り方)。
この型の事例
United Rentals, Inc. 建設・産業用機器のレンタル
米United Rentalsは、北米を中心に1,700超の拠点で建設・産業用機器を貸し出す機器レンタル会社で、2025年の総収益160億ドルの86%を機器レンタル収益が占めます。
資料:FY2025(2025年1〜12月)Form 10-K
ニシオホールディングス株式会社 建設・設備工事用機器とイベント用機材のレンタル(西尾レントオールほか)
ニシオホールディングスは、西尾レントオールなどのグループ会社を通じて建設・設備工事用機器やイベント用機材を貸し出し、保有するレンタル資産を稼働させて収益を上げています。
資料:2025年9月期 有価証券報告書
パーク24株式会社 タイムズカー(カーシェアリング)
時間貸駐車場「タイムズ」のネットワークを生かし、自社で用意した車両を会員に短時間単位で貸し出すカーシェアリング「タイムズカー」を展開する会社です。
資料:2025年10月期 決算短信(2025年12月15日)・経営近況報告会資料(2026年1月29日)