製品・サービス提供の型

データ活用ビジネス

事業の中で集まるデータや外部から集めたデータを整え、分析ツール・データセット・レポートとして販売したり、自社サービスの価値向上に使ったりして収益化するビジネスモデルです。

仕組み

データ活用ビジネスは、データそのもの、またはデータを加工した分析結果を商品にするモデルです。典型的な流れは「データを集める」「使える形に整える(名寄せ・分類・欠損処理など)」「分析ツールやデータセット、レポートとして提供する」の3段階です。

データの集め方には、自社サービスの利用ログから生まれるもの、提携先から提供を受けるもの、業界の参加企業から持ち寄ってもらうもの(いわゆるコントリビューション型)などがあります。提携先からデータを受け取る場合は、データ提供の見返りとして分析ツールを無償・割安で提供したり、データ販売収益の一部を還元したりする設計がよく見られます。

収益の上がり方

収益の形は大きく3つあります。

  • サブスクリプション型: 分析ツールやデータベースへのアクセス権を年間契約で提供する。売上が積み上がり、予測しやすい
  • スポット型: 個別の調査・分析レポート、機械学習用データセットの一括販売など、案件ごとに対価を受け取る
  • 成果・従量型: 照会件数や広告配信量などに応じて課金する

データを集めて整える費用は先に固定的にかかる一方、同じデータを複数の顧客に提供できるため、顧客数が増えるほど利益率が上がりやすい構造です。反対に、顧客が一定数集まるまでは赤字になりやすく、損益分岐点までの期間を見積もることが重要になります。

見るべき指標

  • データの網羅性(対象人数、取扱金額、件数、地域・業種のカバー率)
  • データの鮮度(取得から提供までの日数)
  • ストック型(年間契約)売上の比率と解約率
  • 1顧客あたりの利用ID数・利用部署数(組織内での浸透度)
  • データ提供元との契約継続率

向いている事業・注意点

業界内で同じ種類のデータが分散していて、各社が単独では全体像を見られない領域に向いています。小売の購買データ、保険の事故・支払データ、不動産の取引データなどが代表例です。

注意点は次のとおりです。

  • 個人情報・契約上の制約: 個人に関するデータは、取得時の利用目的の範囲や第三者提供のルールに従う必要があります。提携先から受け取るデータは契約で利用範囲が決まります。詳しくは新規事業での個人情報の取り扱いを参照してください。
  • 提供元への依存: 特定の提供元が抜けると網羅性が大きく下がる場合があります。
  • 加工の手間: 形式がばらばらのデータを標準化する作業は想像以上に重く、ここに人手とノウハウが必要です。

新規事業で使うとき

最初に「誰の、どの意思決定を、どのデータで良くするのか」を一文で言えるようにします。データがあるから売れるのではなく、買い手の業務(商談資料作り、価格設定、在庫計画など)が具体的に楽になって初めて対価が払われます。

進め方としては、次の順番が現実的です。

  1. 少数の協力的なデータ提供元と、少数の買い手候補を同時に見つける
  2. 手作業に近い形でもよいので分析結果を届け、買い手が使うかを確かめる
  3. 使われ方が固まってから、ツール化・自動化に投資する

データの取得と利用が法規制に触れないかは早い段階で確認してください(新規事業で確認すべき規制と、グレーゾーン解消制度・規制のサンドボックス制度)。課金の形をどう選ぶかは収益モデルの種類と選び方も参考になります。

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