製品・サービス提供の型

ハードウェア+ソフトウェア(IoT)

通信機能を持つ機器とクラウド上のソフトウェアを組み合わせて提供し、機器の販売に加えて、データを使ったサービスの月額・年額料金で継続的に収益を得る型です。

仕組み

IoT型の事業は、現場に置く機器(カメラ、センサー、車載端末など)がデータを集めてクラウドに送り、ソフトウェアがそれを見える化・分析して、利用者の判断や業務を助ける形です。機器だけ、ソフトだけでは価値が完結せず、両方を一体で提供する点が特徴です。

機器の提供方法には、主に次の三つがあります。

  • 機器を販売し、ソフトウェアは月額・年額で提供する。
  • 機器とソフトウェアをまとめて、1台当たりの月額・年額料金で提供する(機器代を料金に含める)。
  • 機器を無償・低価格で配り、ソフトウェアやデータを使ったサービスで回収する。

収益の上がり方

機器を販売する場合、導入時にまとまった売上(スポット収益)が立ち、その後は月額の利用料(リカーリング収益)が積み上がります。利用が長く続くほど、1台当たりの累計では月額収入の方が大きくなります。機器代を月額に含める場合は、初期の売上は小さくなりますが、導入のハードルが下がり、収益はサブスクリプションとして積み上がります。

同じ機器・データの上に、分析機能や別の用途のアプリケーションを追加していくと、1顧客当たりの売上を伸ばせます。一方で、機器の原価、在庫、設置、通信費、クラウド費用が継続的にかかるため、ソフトウェアだけの事業より粗利率は低くなりがちです。

見るべき指標

  • 課金している機器の台数と、その増加数
  • ARR(年間経常収益)やMRR(月次経常収益)
  • 解約率(台数・金額)と、既存顧客の売上の伸び(NRR)
  • 1台当たりの機器原価・設置費と、その回収期間
  • 粗利率(機器とサービスそれぞれ)
  • 1顧客当たりの利用アプリケーション数

向いている事業・注意点

向いているのは、現場の状況を遠隔で把握したいニーズがある領域(防犯・店舗運営、建設、物流・運送、設備保全、ヘルスケアなど)で、データが継続的に価値を生むものです。

注意点は、機器の開発・調達・品質保証に時間と費用がかかることです。部品の供給不足や、製造委託先への依存がリスクになります。また、設置や故障対応などの現場対応が必要になり、ソフトウェアだけの事業より運営が重くなります。映像や位置情報など個人に関わるデータを扱う場合は、取得と利用の範囲を利用者に示す必要があります。セキュリティの基本はMVP段階で押さえるセキュリティ対策も参照してください。

新規事業で使うとき

最初から専用機器を開発すると時間と費用がかかるため、検証段階では市販の機器や開発キットを使ってデータを取り、顧客が本当にお金を払う用途を見つけることを優先します(PoC・プロトタイプ・MVPの違いと進め方)。

価格の設計では、機器を売るのか月額に含めるのかを、顧客の予算の取り方(設備費か経費か)と自社の資金繰りの両面から決めます。機器代を月額に含める場合は、1台当たりの原価を何か月で回収できるかと、その間の解約率を試算しておくことが欠かせません。

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