TISI株式会社
ITサービス事業(オファリングサービス、金融IT、産業IT等)

日本
上場
東証プライム 3626
参照資料
2026年3月期 決算短信・コーポレートデータ(2026年)

業界別の受託開発に加え、自社投資でサービスを作って提供する「オファリングサービス」を独立したセグメントとして育てている、SI企業の事例です。

事業の概要

TISI株式会社は、2026年3月期決算短信の時点ではTIS株式会社の商号で、完全子会社の株式会社インテックを2026年7月1日付で吸収合併し、商号をTISI株式会社に変更する予定と説明していました(2026年3月期 決算短信)。現在の同社コーポレートデータでは、社名はTISI Inc.、上場市場は東京証券取引所プライム市場(証券コード3626)と記載されています。

同社グループの報告セグメントは、サービス別と顧客・マーケット別の観点から「オファリングサービス」「BPM」「金融IT」「産業IT」「広域ITソリューション」の5つで構成されています(決算短信 セグメント情報)。

収益の仕組み

決算短信のセグメント説明によると、各セグメントの役割は次のとおりです。

  • オファリングサービス: 蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供
  • BPM: IT技術・業務ノウハウ・人材でビジネスプロセスの高度化・効率化・アウトソーシングを提供
  • 金融IT/産業IT: 業界に特化した業務ノウハウをもとに、顧客の事業・IT戦略をともに検討・推進
  • 広域ITソリューション: 地域や顧客先を含め広範にITプロフェッショナルサービスを提供

顧客ごとの開発を請け負う収益と、自社で先に投資して複数顧客に提供するサービスの収益を、セグメントとして分けて管理しているのが特徴です。

公開資料から読み取れること

  • 2026年3月期の連結売上高は596,479百万円(前期比4.3%増)、営業利益は76,229百万円(同10.4%増)でした(決算短信)。
  • オファリングサービスの売上高は160,574百万円(同10.3%増)でした。同社は、税理士事務所向けシステムの更新需要が一巡したことや決済分野の先行投資増加があったものの、増収増益になったと説明しています(決算短信)。
  • 金融ITは、クレジットカード系顧客の大型開発案件のピークアウトなどで売上高98,730百万円(同1.5%減)となった一方、営業利益は12,729百万円(同3.3%増)でした(決算短信)。

新規事業への示唆

大型開発案件は売上を押し上げますが、完了すると反動減が起きます。金融ITの減収はその一例です。受託開発の会社が新規事業として自社サービスを育てる場合、TISIのように「先行投資型のサービス」を受託と別に管理し、投資と成果を見えるようにしておくと判断しやすくなります。更新サイクルに伴う需要の山谷がある点も、サービス型の収益計画を立てる際の注意点として読めます。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。