Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited(台湾積体電路製造)
半導体ファウンドリ(ウエハー製造の受託)

台湾
上場
台湾証券取引所、NYSE(ADS:TSM)
参照資料
2025年12月期 Form 20-F

TSMCは、顧客が設計した回路にもとづいて半導体ウエハーを製造する専業ファウンドリで、2025年の売上高は3兆8,090億台湾ドル、用途別ではHPC向けが58%を占めます。

事業の概要

TSMCは、2025年12月期のForm 20-Fで、1987年に台湾政府と民間投資家の合弁として設立され、専業ファウンドリ(dedicated foundry)として製造能力を築いてきたと説明しています。株式は1994年から台湾証券取引所に、ADSは1997年からニューヨーク証券取引所に上場しています。

収益の仕組み

20-Fは、同社が「顧客から提供された独自の回路設計にもとづき、シリコンウエハー上に半導体を製造する」と記載しています。顧客には、製造工場を持たない半導体設計会社(ファブレス)やシステム企業が含まれます。2025年の売上高の約86%がウエハー製造で、残りは主にパッケージング・テスト、マスク製作、設計、ロイヤルティ収入です。

同社は、ファウンドリの製造能力を特徴づけるのは生産能力と製造プロセス技術の二つだと説明しており、2ナノメートル技術は2025年に量産を始めたと記載しています。

公開資料から読み取れること

  • 2025年の売上高は3兆8,090億5,400万台湾ドル(2024年は2兆8,943億800万台湾ドル)。売上総利益率は59.9%(2024年は56.1%)。
  • 用途別の売上構成は、HPC(高性能計算)58%、スマートフォン29%、IoT 5%、自動車5%など。
  • 上位10社で売上高の約78%、最大の顧客で19%、2番目の顧客で17%を占めます。
  • 2025年の設備投資は1兆2,724億台湾ドル(約409億ドル)で、2026年は520億〜560億ドルを見込むと記載しています。
  • リスク要因では、顧客の集中が進むと、大口顧客の需要の変動の影響を受けやすくなると説明しています。

新規事業への示唆

受託製造でも、製造技術そのものが競争力の中心になると、高い利益率と大規模な設備投資を伴う事業になります。受託型の新規事業を考える際は、「顧客が自分では持てない設備や技術」を提供できるかどうかが、価格を決める力を左右します。

また、受託側は顧客の設計情報を預かる立場になるため、情報の管理体制が取引の前提になります。発注側から見た外注先の選び方はMVP開発を外注するときの発注先の選び方と見積もりの読み方も参考にしてください。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。