MongoDB, Inc.
MongoDB Atlas(開発者向けデータベースのクラウドサービス)

米国
上場
Nasdaq MDB
参照資料
FY2026(2026年1月期)Form 10-K

開発者向けのデータベースをクラウドサービス「Atlas」として提供し、無料枠で利用を広げてから利用量に応じた課金につなげている米国企業の事例です。

事業の概要

MongoDBは、Form 10-K(FY2026、2026年1月期)で自社を「developer data platform(開発者向けデータプラットフォーム)」の企業と位置づけ、開発者がソフトウェアとデータの力を引き出せるようにすることを使命に掲げています。中心となる製品は、同社がクラウド上で運用・管理するデータベースサービス「MongoDB Atlas」と、顧客が自ら運用する商用版「MongoDB Enterprise Advanced」です。

同10-Kによると、2026年1月末時点で100か国以上に6万5,200社超の顧客がいます。

収益の仕組み

Atlasのセルフサービス顧客は、利用量に応じて月ごとに後払いで課金されると説明しています。販売面では、ソフトウェア開発者の間で認知と利用を広げ、その利用を有料の消費につなげることを主眼に置いた市場開拓を行っているとしています。

利用を広げるための入口として、無料でダウンロードできる「Community Server」とAtlasの無料枠を「フリーミアム」の提供と位置づけています。大口の企業顧客向けには直販の営業組織への投資を続ける方針です。このほか、コンサルティングや研修などのプロフェッショナルサービスも提供しています。

公開資料から読み取れること

Form 10-K(FY2026)の主な数値は次のとおりです。

  • 売上高:24億6,380万ドル(前年比23%増)。FY2025は20億640万ドル
  • Atlasの売上比率:73%(FY2025は70%、FY2024は66%)
  • Enterprise Advancedの売上比率:20%(FY2025は23%)
  • プロフェッショナルサービスの売上比率:3%
  • 2026年1月末時点のネットARR拡大率:約121%
  • 純損失:7,120万ドル(FY2025は1億2,910万ドル)

同社は、売上の増加は主にネットARR拡大率121%によるものと説明しています。売上構成の中でクラウド型のAtlasの比率が年々上がっていることが、資料から読み取れます。

新規事業への示唆

開発者に使ってもらう製品では、無料で試せる入口を用意し、利用が増えた段階で有料化する流れを設計することが一つの方法です。MongoDBのように、無料版・無料枠、従量課金のクラウド版、大口向けの契約を並べることで、小さな利用から大きな契約まで一つの製品でつなげられます。ただし、無料利用者を有料に転換できるか、利用量に比例するインフラ費用を賄えるかは事業ごとに検証が必要です。既存顧客の売上拡大率のような指標を早い段階から定義しておくと、成長の中身を把握しやすくなります。

参考資料

この事例は各社の公開資料をもとに整理したもので、記載は参照資料の時点の内容です。最新の情報は各社の公式発表をご確認ください。