マッチング・成功報酬型(人材紹介など)
求職者と企業のように互いに相手を探している二者を引き合わせ、採用や成約などの成果が出たときに、その取引額に応じた報酬を受け取る収益モデルです。
仕組み
マッチング・成功報酬型は、互いに相手を探している二者を引き合わせ、成約したときに報酬を受け取るモデルです。代表例は人材紹介で、紹介会社が求職者と求人企業の間に入り、採用が決まると企業から紹介手数料を受け取ります。求職者からは料金を取らない形が一般的です。
同じ考え方は、M&A仲介、不動産仲介、結婚相談、業務委託の案件紹介などにも見られます。成果が出るまで費用がかからないため、利用する側にとっては始めやすいのが特徴です。報酬の決め方は、成約した取引の金額(人材紹介なら採用者の年収)に一定の率を掛ける方式が多く見られます。
近年は、成功報酬だけでなく、データベースやスカウト機能の利用料(固定料金)と成功報酬を組み合わせる形もあります。固定料金で安定収入を確保し、成功報酬で成果に応じた収入を得る設計です。
収益の上がり方
人材紹介の場合、売上は「平均成約単価 × 成約件数」で表せます。平均成約単価は「年収 × 手数料率」、成約件数はキャリアアドバイザーやコンサルタントの人数と1人あたりの生産性で決まります。高い年収帯や専門職を扱うほど単価は上がりますが、候補者を探す難しさも増します。
コストの中心は人件費と、求職者を集めるための広告費やデータベース利用料です。成約までに時間がかかり、途中で辞退や不採用になった案件の労力は売上になりません。景気で採用需要が落ちると成約件数が一気に減るため、売上の振れ幅が大きいモデルでもあります。
見るべき指標
- 成約件数と平均成約単価
- 担当者1人あたりの売上(生産性)と担当者数
- 登録者数、面談数、推薦数、面接数、内定数、入社数の各段階の転換率
- 内定辞退率と早期退職率(返金規定の対象)
- 固定料金と成功報酬の売上比率
向いている事業・注意点
相手探しに手間がかかり、1件の成約の価値が大きい市場に向いています。採用、事業承継、専門家の紹介などです。
注意点として、成約の定義(入社日か内定日か)、早期退職時の返金規定、途中で直接契約された場合の扱いを契約で明確にしておく必要があります。また、人材紹介を事業として行うには職業安定法に基づく許可が必要など、業種ごとの許認可を確認しなければなりません(新規事業で確認すべき規制)。
新規事業で使うとき
成功報酬型は、顧客に「成果が出なければ払わなくてよい」と言えるため、実績のない新規事業でも最初の顧客を取りやすい方法です。反面、成約までの期間は収入がなく、資金繰りが苦しくなりがちです。着手金や月額の固定料金を一部組み合わせるか、成約までの期間を短くできる領域を選ぶかを最初に検討しましょう。
価格設計の考え方は新規事業の価格の決め方、段階ごとの転換率の置き方は新規事業のKPIの置き方と撤退基準が参考になります。