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補助金の電子申請の準備:GビズIDプライムの取得とJグランツの使い方

補助金の電子申請で最初にやるべきことは、GビズIDプライムのアカウントを早めに取得しておくことです。国や自治体の補助金の電子申請システムであるJグランツにはGビズIDでログインするため、アカウントがなければ公募期間中でも申請できません。書類で申請すると発行までに時間がかかるため、補助金を使う可能性が出た時点で取得しておくのが安全です。以下は2026年9月時点でデジタル庁の公式ページとマニュアルを確認した内容です。

GビズIDとJグランツの関係

  • GビズID:デジタル庁が提供する、事業者向けの共通認証システムです。1つのID・パスワードで、補助金申請、社会保険手続、各種認可申請など、複数の行政サービスにログインできます
  • Jグランツ:デジタル庁が運営する補助金の電子申請システムです。補助金の検索、申請、採択後の手続きまでをオンラインで行えます

つまり、GビズIDは「ログインのための鍵」、Jグランツは「補助金の申請窓口」です。

なお、すべての補助金・助成金がJグランツを使うわけではありません。たとえば厚生労働省の雇用関係助成金は「雇用関係助成金ポータル」で電子申請を受け付けており、こちらもGビズIDの取得が必要です(社会保険労務士などの代理人に電子申請を依頼する場合も、事業主のGビズIDが必要とされています)。どのシステムで申請するかは、制度ごとの公募要領で確認します。

アカウントの種類

GビズIDには3種類のアカウントがあります。

種類 対象 作成方法 Jグランツ
GビズIDプライム 法人代表者・個人事業主 審査を経て作成 利用できる
GビズIDメンバー プライムを取得した組織の従業員 プライムの利用者が作成 利用できる(プライム側で利用設定が必要)
GビズIDエントリー 事業をしている人なら誰でも 審査なしで即時作成 利用できない

Jグランツの事業者向けマニュアルでは、補助金の電子申請にはプライムかメンバーが必要で、エントリーではログインできないと明記されています。迷ったらプライムを取得します。GビズIDは無償で利用できます。

GビズIDプライムの取得方法

申請方法は2つあり、どちらも審査があります。デジタル庁のアカウント選択ページでは、審査にかかる時間はオンライン申請で最短即日、書類申請で最大1か月と案内されています。どちらを選べるかは、事業区分やマイナンバーカードの保有状況などで変わります。

オンライン申請

必要なものは次のとおりです。

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカードを読み取れるスマートフォン
  • スマートフォンにインストールした「GビズID」アプリ
  • SMSを受信できる電話番号

書類申請

申請書を作成して印刷し、押印して印鑑証明書などと一緒に郵送します。

  • 法人:法務局が発行した印鑑証明書(発行から3か月以内の原本)と、代表者印
  • 個人事業主:市区町村が発行した印鑑登録証明書(発行から3か月以内の原本)と、実印

コピーは使えず、原本が必要です。申請内容に不備があると、マイページと登録メールアドレスに通知が届きます。

取得前に決めておくこと

  • アカウントIDにするメールアドレス:GビズIDはメールアドレスをアカウントIDとして使います。同じメールアドレスを複数のGビズIDアカウントで使うことはできません。担当者の異動で使えなくなるアドレスは避けます
  • 1法人・1代表者につき1アカウント:同じ法人で同じ利用者が複数のプライムを取得することはできません。複数の法人を経営している場合は法人ごとに取得でき、1つの法人に代表者が複数いる場合は代表者ごとに取得できます
  • 任意団体の場合:Jグランツのマニュアルでは、代表者が「個人事業主」としてプライムを発行するよう案内されています

2026年7月から有効期限が導入された

2026年7月9日から、GビズIDプライムとメンバーのアカウントに有効期限が設けられました。有効期間は2年3か月です。

  • 導入日より前に発行されたアカウント:導入日から2年3か月(2028年10月ごろまで)有効
  • 導入日以降に発行されたアカウント:発行日から2年3か月有効
  • 更新後は、更新完了の通知が届いた日から2年3か月有効

有効期限が切れると、行政サービスへのログインやメンバーの作成などができなくなります。プライムの期限が切れると、それに紐づくメンバーも同様の制限を受けます。更新手続きには本人確認を含む場合があり、最大1か月ほどかかることがあるとされています。期限の3か月前、1か月前、2週間前にメールで通知が届くので、通知を受け取るメールアドレスを確実に見られるようにしておきます。

Jグランツでの申請の流れ

Jグランツの事業者向けマニュアルでは、次の流れが示されています。

  1. 「補助金を探す」から申請したい補助金を検索する
  2. GビズIDでログインする(二要素認証あり)
  3. 申請内容を入力し、資料をアップロードして申請する(押印不要)
  4. 審査結果をメールで受け取る

採択後の交付申請、事業開始後の各種手続き、概算払・精算払の請求もJグランツ上で行います。

申請のステータス

入力の途中は「一時保存」ができ、状態は「下書き中」になります。「申請する」を押すと「申請済み」になり、修正や取消はできません。事務局から差し戻されると「差戻し対応中」になり、修正して再度申請します。提出前に内容を確定させてから「申請する」を押すことが大切です。

代理申請

Jグランツには、委任を受けた人が代わりに申請を作成する「代理申請」の機能があります。GビズIDの委任機能で委任関係を結ぶ必要があり、委任する側と受ける側の両方がプライムを持っていなければなりません。委任関係は行政サービスごとに登録が必要です。代理人が入力した申請は、委任元が確認してから事務局に提出する流れです。

外部の支援者に作成を手伝ってもらう場合も、補助金によっては支援者の名前や支援料金の記載を求めるものがあります。第三者の関与の扱いは、公募要領で必ず確認します。

締切前に慌てないための準備

  • GビズIDは公募が始まる前に取る:東京都の創業助成事業の案内では、発行の審査に1か月程度かかる場合があるとして注意を促しています
  • 締切日の直前を避ける:同じ案内では、締切日はJグランツへのアクセス集中が予想され、提出に時間がかかる可能性があるとしています
  • ファイル形式を指定どおりにする:PDFでの提出を求める制度では、シートの漏れやページの見切れがないか確認してから変換します
  • 申請者本人が操作できる状態にする:スマートフォンのアプリ認証は1アカウントにつき1台のみ設定できます。代表者が出張中でもログインできるか、事前に確認しておきます

大企業と起業家で異なる点

大企業の新規事業部門の場合

プライムは代表者のアカウントです。新規事業の担当者が申請作業をするには、プライムを管理している部門にメンバーアカウントを作成してもらい、Jグランツを利用できるように設定してもらう必要があります。社内で誰がプライムを管理しているか、メンバー作成にどんな社内手続きが要るかを、申請の検討段階で確認しておきます。子会社として新規事業を切り出した場合は、その子会社の代表者がプライムを取得します。

起業家・スタートアップの場合

GビズIDプライムは法人ごとに取得するものです。会社を設立したら、その法人の代表者としてプライムを申請します(書類申請の場合は、法務局が発行した法人の印鑑証明書が必要です)。創業前の個人のまま申請できる制度では、どのようにアカウントを用意するかを募集元に確認します。設立登記、印鑑証明書の取得、GビズIDの申請、補助金の公募時期を並べてスケジュールを組むと、申請に間に合わない事態を防げます。

補助金を探す段階の注意点は補助金と助成金の違いと探し方、設立手続きは株式会社設立の手順と必要書類を参照してください。

制度は改定されます。申請・契約の前に公式情報と専門家(行政書士・税理士など該当するもの)に確認してください。

参考資料

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