販売・流通の型

BtoBtoC(パートナー経由販売)

自社の商品やサービスを消費者へ直接売るのではなく、企業や団体などの法人パートナーを通じてその先の従業員・顧客・会員に届け、主に法人から対価を受け取る販売の型です。

仕組み

BtoBtoCは、自社(B)が法人パートナー(B)を通じて、その先の消費者・従業員・会員(C)にサービスを届ける形です。契約とお金のやり取りは主に法人パートナーとの間で行い、実際に使うのは個人という「払う人と使う人が別」の構造になるのが特徴です。

代表的なパターンは次のとおりです。

  • 福利厚生型:企業が従業員のためにサービスを契約し、従業員が使う。
  • 顧客特典型:企業が自社の顧客への特典としてサービスを組み込む。
  • OEM・組み込み型:パートナー企業のブランドや商品の一部として自社サービスを提供する。
  • 取次・代理販売型:パートナーの店舗や営業網が自社商品を個人に販売し、自社は卸値や手数料で収益を得る。

収益の上がり方

課金の基準は大きく三つあります。

  1. 人数連動:契約した従業員・会員の人数に応じた月額・年額(1人当たり月額など)。
  2. 利用連動:個人が実際に使った量や回数に応じて法人に請求する。
  3. 取引連動:パートナー経由の販売額に対する手数料や、卸売の差益。

人数連動は売上が安定しやすい反面、利用が少ないと法人が「使われていない」と判断して解約につながります。利用連動は法人にとって無駄な支払いが少なく導入しやすい一方、売上が個人の利用の波に左右されます。基本料と利用料を組み合わせる設計もあります。

パートナーの顧客基盤を使えるため、個人を1人ずつ集めるより獲得費用を抑えやすい点が、この型の収益面の利点です。

見るべき指標

  • 契約法人数と、法人単位の解約率
  • 対象人数(契約上カバーしている個人の数)と、そのうち実際に使った人の割合(利用率)
  • 1法人当たり・1人当たりの売上
  • パートナー別の売上構成(特定パートナーへの集中度)
  • 導入を決める法人担当者と、使う個人の双方の満足度

向いている事業・注意点

向いているのは、個人が自分では払いにくいものの法人には払う理由があるサービス(福利厚生、健康、学習、金融・保険の付帯サービスなど)や、パートナーの既存顧客に追加の価値を載せられるサービスです。

注意点は三つあります。一つ目は、個人との接点がパートナー経由になり、利用データや顧客の声が届きにくいことです。二つ目は、大口パートナー1社の離脱で会員数や売上が大きく動くことです。三つ目は、価格や見せ方の決定権の一部をパートナーが持つため、自社だけで変えにくいことです。個人情報をパートナーとやり取りする場合は、提供の範囲と同意の取り方も契約の段階で決めておく必要があります(新規事業での個人情報の取り扱い)。

新規事業で使うとき

最初に「誰が払い、誰が使い、誰が導入を決めるか」を書き分けます。法人の購買担当と実際に使う個人とでは、響く価値が異なるためです。法人向けには導入効果(コスト削減、従業員満足、顧客の継続率など)を示す材料が、個人向けには使い始めやすさが必要です。

パートナー選びでは、顧客基盤の大きさだけでなく、パートナー自身がそのサービスを売る動機を持てるかを確かめます。手数料体系や販売支援の範囲は販売代理店・アライアンスで販路を広げるも参考にしてください。検証の段階では、1社のパートナーと小さく始めて利用率を測り、法人側が契約を更新する根拠になる数字を集めておくと、次のパートナー開拓の材料になります。

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