小規模事業者持続化補助金の要点:第20回公募の日程・上限額・補助率
小規模事業者持続化補助金は、従業員数が少ない小規模事業者が、自ら作った経営計画に基づいて行う販路開拓などの取り組みの経費の一部を補助する制度です。2026年9月時点では、<一般型 通常枠>第20回公募と<創業型>第4回公募の公募要領が公開されており、申請受付は2026年11月5日から12月15日17時までの予定です(現時点では申請受付の開始前です)。
制度の概要
公募要領によると、この補助金は、小規模事業者等が制度変更(物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入等)に対応するために取り組む販路開拓等の経費の一部を補助し、生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。販路開拓とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みも対象になります。
特徴は、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であることが要件になっている点です。申請の前に、商工会・商工会議所から「事業支援計画書(様式4)」の発行を受ける必要があります。
窓口は事業所の所在地によって分かれています。商工会の地区は商工会地区の事務局、商工会議所の地区は商工会議所地区の事務局が担当します。
2026年9月時点の公募状況
<一般型 通常枠>
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募回 | 第20回 |
| 公募要領公開 | 2026年5月27日(第8版は2026年7月21日付) |
| 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付 | 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃予定 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から2028年3月31日(金)まで |
直前の第19回公募は2026年4月30日に締め切られ、2026年7月29日付で採択者一覧が公開されています。第20回より後の公募予定については、公募要領に「第20回公募申請受付締切以降に追ってご案内します」とされており、2026年9月時点では決まっていません。いずれの日程も「予定は変更する場合があります」と明記されています。
<創業型>
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募回 | 第4回 |
| 公募要領公開 | 2026年5月27日 |
| 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付 | 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃予定 |
一般型 通常枠と創業型は同時に申請できません。
補助上限額と補助率
<一般型 通常枠>
- 補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
- 補助上限:50万円
- 上乗せ:インボイス特例の要件を満たす場合は50万円、賃金引上げ特例の要件を満たす場合は150万円、両方を満たす場合は200万円を上乗せ
インボイス特例は、2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった事業者、または2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者が対象です。
賃金引上げ特例は、2027年4月1日から補助事業実施期限(2028年3月31日)までの期間と前年同月の12か月を比べ、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることが要件です。
どちらの特例も、補助事業の終了時点で要件を満たさない場合、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付されない点に注意が必要です。
<創業型>
- 補助率:2/3
- 補助上限:200万円(インボイス特例の対象事業者は50万円を上乗せ)
対象となる事業者
小規模事業者の定義
常時使用する従業員の数で判断します。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下
- 製造業その他:20人以下
会社役員や同居の親族従業員などは「常時使用する従業員」に含みません。また、資本金または出資金5億円以上の法人に直接・間接に100%の株式を保有されていないこと、直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないことなども要件です。
大企業の新規事業部門は対象外
この補助金は小規模事業者向けです。大企業の社内で進める新規事業や、大企業の100%子会社は、上記の要件から対象になりにくい点に注意してください。大企業の担当者がこの制度を検討する場面としては、協業先の小規模事業者が自ら申請する場合などが考えられます。
創業予定者は対象外
一般型 通常枠では、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。開業届を提出していても、開業日が申請日より後の場合や、申請時点までに事業を開始していない場合も対象外とされています。
創業型は、認定市区町村または認定連携創業支援等事業者が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けた日と開業日(設立年月日)が、公募締切時から起算して過去1か年の間にあることが要件です。
対象となる経費
対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費です。交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払いが完了した経費が対象です。
新規事業で使う場面が多い「ウェブサイト関連費」には、一般型 通常枠の公募要領で次の制限があります。
- ウェブサイト関連費のみでの申請はできず、ほかの経費と一緒に申請する
- この経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)
- ウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用に要する経費はここに計上する
- 50万円(税抜)以上で作成・更新したウェブサイトやシステムは「処分制限財産」に該当し、一定期間、目的外使用や譲渡などが制限されることがある
つまり、この補助金でアプリやシステムの開発費をまとめて賄うことは想定されていません。MVPの開発費を補助金で賄いたい場合は、IT導入補助金の要点や、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の要点で紹介している制度とあわせて比較してください。
また、本事業の終了後おおむね1年以内に売上につながる見込みがない事業(例として、試作品開発を行うだけで直接販売の見込みにつながらない事業)は対象外とされています。検証段階の試作だけでなく、販売につながる取り組みとして計画する必要があります。
申請の流れ
- GビズIDプライムのアカウントを取得する:申請は電子申請システムのみで受け付けられ、GビズIDプライムが必要です。
- 経営計画・補助事業計画を作る:自社の現状、市場や顧客ニーズの分析、補助事業で行う取り組みと定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)を記載します。
- 商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する:受付締切(2026年12月4日)以降の依頼はいかなる理由でも受け付けられません。
- 電子申請で申請書類を提出する:締切は2026年12月15日17:00の予定です。
- 採択後、見積書等を提出し、交付決定を受ける:交付決定までに採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があるとされています。交付決定日より前に発生した経費は対象外です。
- 事業実施、実績報告、補助金の請求:補助金は後払いです。事業終了後、実績報告を経て金額が確定してから支払われます。
- 事業効果報告:補助事業終了から1年後の状況を報告します。
申請前に押さえておきたい注意点
- 補助金は後払い:経費はいったん全額を自社で支払います。手元資金や融資でのつなぎを計画しておきましょう。
- 採択は審査で決まる:申請すれば必ず受けられるわけではなく、不採択になる場合があります。申請額から減額される場合もあります。
- 第三者の支援を受けた場合は申告が必要:事業計画作成で商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けた場合、その相手方と支援料金を申請書に記載する必要があり、記載がないと虚偽として不採択・交付決定取消の対象になるとされています。高額なアドバイス料を請求する業者への注意も公募要領に明記されています。
- 自ら計画を検討すること:事業者自らが検討していない計画は、評価にかかわらず不採択・取消の対象とされています。
- 過去の採択者は申請できない期間がある:過去に持続化補助金で補助事業を実施した事業者は、事業効果等の報告書の提出状況などによって申請できない場合があります。
補助金全体の中での位置づけは新規事業のお金の集め方:社内予算・補助金・融資・出資も参考にしてください。
本記事は2026年9月時点の公募要領に基づいています。制度は改定されます。申請の前に必ず最新の公募要領と事務局の公式情報を確認し、必要に応じて地域の商工会・商工会議所や税理士などの専門家に相談してください。
参考資料
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