新規事業の工程別チェックリスト:アイデア検証からグロースまで
新規事業は、6つの工程(アイデア検証、事業計画、予算確保・資金調達、MVP開発・PoC、人材確保、グロース)ごとに「次に進んでよいか」を確かめながら進めると、手戻りと無駄な出費を減らせます。このページでは、各工程で確認したい項目を並べ、詳しい進め方を解説した記事へのリンクを付けました。
工程は必ずしも順番どおりに進むわけではありません。人材確保は最初から並行して進みますし、グロースの段階で得た学びからアイデア検証に戻ることもあります。今どの工程にいるかを確認し、該当する項目から使ってください。項目のうち「大企業」「起業家」と付けたものは、どちらかの立場に特有の確認事項です。
1. アイデア検証
誰のどんな課題を解くのかを、顧客の事実に基づいて確かめる工程です。
- 対象とする顧客を、業種・規模・職種・利用場面などで具体的に定義している
- 顧客が今その課題をどう解決しているか(代替手段)と、そこにかけている時間やお金を把握している
- 検証すべき仮説を書き出し、どれから確かめるかの優先順位を付けている
- 参考:新規事業のアイデア検証でやることと進め方
- 想定顧客へのヒアリングを実施し、発言ではなく過去の行動の事実を記録している
- 誘導的な質問を避け、課題の有無を顧客自身の言葉で確認している
- 参考:顧客ヒアリングの質問項目と聞き方
- 公的統計や公開情報で、市場や業界の基本的な数字を確認している
- 調べた数字の出典(発行元、調査年、定義)を記録している
- 参考:新規事業の市場調査:公的統計と公開情報で調べる方法
- (大企業)自社の既存資産(顧客、技術、販路、ブランド、データ)のうち、テーマに活かせるものを洗い出している
- (大企業)既存事業との関係(相乗効果、競合・共食い)を整理している
- 参考:既存事業の資産から新規事業のテーマを選ぶときの判断軸
2. 事業計画
検証した内容をもとに、事業としての成り立ちを数字と言葉で説明できるようにする工程です。
- 顧客、課題、提供価値、収益の仕組み、競合との違いを1枚で説明できる
- 売上と費用の前提(単価、顧客数、原価、人員)を明示し、前提が変わったときの影響を把握している
- 計画の中で、まだ検証できていない仮説がどれかを明示している
- 参考:新規事業の事業計画書に書くこと
- 市場規模(TAM・SAM・SOM)の算出方法と根拠を説明できる
- 上から(統計)と下から(顧客数×単価)の両方の見積もりを比べている
- 参考:市場規模(TAM・SAM・SOM)の出し方
- (起業家)投資家が知りたい順序(課題、解決策、市場、チーム、進捗、資金使途)で資料を組み立てている
- (起業家)調達額とその使い道、次の調達までに達成するマイルストーンを示している
- 参考:投資家に読まれる事業計画書・ピッチ資料の組み立て方
- 顧客の価値と原価をもとに、想定価格の根拠を説明できる
- 参考:新規事業の価格の決め方
3. 予算確保・資金調達
次の工程に進むための資金を、事業の段階に合った方法で確保する工程です。
- 必要な資金の額と時期を、事業計画から逆算している
- 社内予算・補助金・融資・出資の違い(返済の有無、手続き、入金時期)を比較している
- 参考:新規事業のお金の集め方:社内予算・補助金・融資・出資
- (大企業)稟議で経営陣が判断に使う情報(投資額、期待効果、リスク、撤退条件)をそろえている
- 参考:新規事業の稟議で経営陣が見る点と資料の構成
- (大企業)ゲートごとの判断基準、判断者、次のゲートまでの予算を決めている
- 参考:新規事業のステージゲートの設計
- 使えそうな補助金の公募要領を公式サイトで確認し、対象経費・補助率・スケジュールを把握している
- 補助金は原則として後払いであることを踏まえ、立替資金を用意している
- 参考:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の要点
- 参考:小規模事業者持続化補助金の要点
- (起業家)会社設立の手順、必要書類、費用を確認している
- 参考:株式会社設立の手順と必要書類
- (起業家)創業融資の対象要件と必要書類を公式情報で確認している
- 参考:創業融資の基本:日本政策金融公庫の制度を中心に
- (起業家)シード期の調達手段(普通株式、新株予約権型など)の違いと、持分への影響を理解している
- 参考:シード期の資金調達手段の種類と違い
4. MVP開発・PoC
最小限のプロダクトや検証で、仮説が正しいかを確かめる工程です。
- PoC・プロトタイプ・MVPのうち、今どれを作るのかと、その目的を決めている
- 検証の完了条件(何がわかれば次に進むか・止めるか)を事前に決めている
- 参考:PoC・プロトタイプ・MVPの違いと進め方
- ゼロから開発するか、既存のパッケージやサービスを使うかを比較している
- 参考:ゼロから作るか、既存のパッケージを使うかの判断基準
- (起業家)ノーコードで作れる範囲と、限界(拡張性、データの移行)を把握している
- 参考:ノーコードでMVPを作るときの進め方と限界
- 外注する場合、発注先の比較基準と、見積もりの前提(範囲、工数、体制)を確認している
- 参考:MVP開発を外注するときの発注先の選び方と見積もりの読み方
- 請負か準委任か、成果物の権利や検収の条件を契約で確認している
- 参考:開発会社との契約の注意点(請負と準委任)
- (大企業)PoCの検証範囲、対価、成果の権利、次の段階への移行条件を契約で決めている
- 参考:PoCの契約:モデル契約書で押さえる点
- ツールやシステムの導入に使える補助金がないか確認している
- 参考:IT導入補助金の要点
5. 人材確保
事業を進めるのに必要な役割を洗い出し、社内外から人を集める工程です。
- 今の工程で必要な役割(事業開発、開発、営業、デザインなど)と、足りない役割を明確にしている
- メンバーの役割と意思決定の範囲を決めている
- 参考:新規事業の最初のチームの作り方
- (起業家)共同創業者と、役割、持分、意思決定の方法、離脱時の扱いを事前に合意している
- 参考:共同創業者の探し方と最初に決めておくこと
- (起業家)初期メンバーの報酬の組み立て(給与、ストックオプション)を決めている
- 参考:初期メンバーの報酬とストックオプションの基本
- (大企業)副業人材を受け入れる場合、契約形態・情報管理・評価の方法を決めている
- 参考:副業人材を新規事業に迎えるときの契約・情報管理・評価
- (大企業)社内公募・社内起業制度の選考基準、支援内容、事業化後の処遇を決めている
- 参考:社内公募・社内起業制度の作り方
- (大企業)在籍型出向を使う場合、出向契約と労働条件の扱いを確認している
- 参考:新規事業で在籍型出向を使うときの基本
6. グロース
検証した事業を広げながら、続けるか止めるかを数字で判断する工程です。
- 工程に合ったKPIを置き、定期的に確認する場を決めている
- 撤退・ピボットの基準を、事業を始める前に関係者と合意している
- 参考:新規事業のKPIの置き方と撤退基準
- (起業家)最初の顧客をどの経路で獲得するかを決め、獲得の過程を記録している
- 参考:最初の10社の顧客をどう取るか
- 顧客の継続率と「なくなると困る」と答える顧客の層を確認し、PMFの判断に使っている
- 参考:PMF(プロダクトマーケットフィット)の判断の仕方
- 実際の商談や申込みで価格を検証し、失注理由を記録している
- 参考:新規事業の価格の決め方
- (大企業)スタートアップと協業する場合、目的の共有と、段階ごとの契約(NDA、PoC、共同研究、ライセンス)を設計している
- 参考:スタートアップとの協業・事業提携の進め方
用語がわからないときは
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